例えば、次の条件が与えられたときの、材料直径、有効巻数、ばね定数、応力はそれぞれ以下のように求められます。
取付け時長さ160mm、取付け時荷重が176Nで、最大時長さ180mm、最大時荷重が275N、コイル外径は36mm以下、フックはUフックとし両側とも同じ長さで20mm以上確保のこと。また、使用環境は常温で1×107回以上の疲れ強さを有する引張りコイルばねを設計せよ。材質はSWP-Aを使用することにする。又、初張力は標準とする。へたりを考慮し最大引張り応力は0.7以下、最大せん断応力は0.45以下を目標とする。
このような条件を満足する材料径、及びその他のばね諸元を決定する。ここでは、材料径をφ4.0mmとする。
材料径φ4.0mmのSWP-Aの引張り強さσBは、1670 N/mm2である。
コイル外径をφ36.0mmとすると、ばね指数は
となる。
又、与えられた条件よりばね定数は、
となる。有効巻数は、
となる。
次に、初張力を求める。τiは、式(1-18)より求める。
式(1-17)より初張力Piは、
となる。よって、自由時長さHf は、
となる。
片側フック長さは、
となり、与えられた条件である20mm以上を満足する。
Uフック部に発生する最大引張り応力の下限応力(σ1)、上限応力は(σ2)、式(1- )より求める。
このとき、式(1-16)より数式=1.134を得る。
応力値より応力係数
を求める。
これらの係数を図4にプロットすると、1×107回以上の疲れ強さを有していることが分かる。
Uフック部に発生する最大せん断応力の下限応力(τ1)、上限応力(τ2)は、式(1-11)より求める。
このとき、フック立上がり半径(中心)r2を4.0とすると
は、2.0になる。
又、式(1-12)よりK2=1.75を得る。
応力値より応力係数数式を求める。
これらの係数を図3にプロットすると、1×回以上の疲れ強さを有していることが分かる。