【ご相談内容】 氷雨 2003/10/17(金) 14:44
このコンテンツの最後に、ばねっと君とSAKURAによる解説動画があります!
SWP-AとSWP-Bの違いってどういうところですか?
ダウンロードさせていただいたソフトでデザインしてみましたが、違いが良くわかりませんでした。
出来れば、寸法的に同じ物で、材質変化によりバネ定数の違う物
(材料の太さでも変わりますが)を購入したいので、
その辺りの変化はないでしょうか?教えてください。
よろしくお願いします。
【返答】 ばねっと君 2003/10/17(金) 16:50
SWP(ピアノ線)についてですね!
JISG3522(ピアノ線)には、SWP-A種,B種,V種の3種類があり、
引張り強さ、巻き付け性、ねじり特性、曲げ性、きず、表面状態などが規格化されています。
用途としましては、V種は繰返し速度の大きいばね、
とくに自動車、船舶などの各種弁ばねに使用されています。
A種、B種は自動車のクラッチばね、ブレーキばねなど重要部品、また計量器ばね、
運動器具など高級ばねに使用されてします。
A種は許容最大応力もかなり高く、繰返し荷重に対する疲れなどに好ましい特性をもっています。
B種は設計上どうしても高い引張り強さ、耐へたり性を要求されるばねには適当ですが、
きびしい成形加工などで問題となるじん性面では、A種よりも若干劣ります。
また、材質変化によりバネ定数の違う物とのことですが、
バネ定数の計算要素であります、横弾性係数(G)の違う材質を選択すれば可能です。
例えば、SWP-AとSUS304WPB(ステンレス)等が挙げられます。
中でも船舶に使われるばねは、繰り返し耐久性が必要なため、弁バネのような品質のばねが
求められます。
詳細は以下よりご覧ください!
様々な業種で活躍する当社製ばね納入事例集:輸送関連 船舶
【返答】 ばね初心者 2017/10/19(木) 16:47
SWP-AとSWP-Bの密度・縦弾性係数・せん断強さ・ポアソン比・耐力・引張強さ・熱伝導率・比熱・熱膨張係数を教えてください。
【返答】 ばね初心者 2017/10/20(金) 16:27
SWP-CとSUS304WPBの密度(g/cm^3)・縦弾性係数(MPa)・せん断強さ(MPa)
・ポアソン比・耐力(MPa)・引張強さ(MPa)・熱伝導率(W/(m/K))・比熱(j/(g/k))・熱膨張率(μm/(m/℃))を教えてください。
【返答】 ばねっと君 2017/10/20(金) 18:43
ばね初心者さま
SWP-A 種, B種の密度 ・ 縦弾性係数・ ポアソン比はそれぞれ下記のとおりです。
7.85[g/cm^3] / 206000[N/mm^2] / 0.30
・せん断強さは、ピアノ線の線径によって異なります。JISB2704に記載がございます。
・耐力は、JIS G3522でも規定されていません。
・引張強さは、JIS G3522 に記載がございますが、せん断強さ同様、線径によって異なります。
・熱伝導率・比熱は、ピアノ線としてのデータは不明ですが、
それぞれ、83.5W/m・K ・ 0.45J/g・K として鉄の値が近いのでは?と考えられます!
・熱膨張係数は、ピアノ線としてのデータは不明ですが、
20~100℃=11.5×10^-6/℃ , 20~200℃=12.3×10^-6/℃ としてS50Cの値が近いのでは?
と考えられます!
【返答】 ばねっと君 2017/10/20(金) 18:50
ばね初心者さま
SUS304-WPBの密度 ・ 縦弾性係数・ ポアソン比はそれぞれ下記のとおりです。
8.0[g/cm^3] / 186000[N/mm^2] / 0.30
・せん断強さは、線径によって異なります。JISB2704に記載がございます。
・耐力は、JIS G4314では規定されていません。
・引張強さは、JIS G4314 に記載がございますが、せん断強さ同様、線径によって異なります。
・熱伝導率・比熱は、SUS304-WPBとしてのデータは不明ですが、
それぞれ、16.3W/m・K ・ 0.50J/g・K としてSUS304の値が近いのでは?と考えられます!
・熱膨張係数は、SUS304-WPBとしてのデータは不明ですが、
0~100℃=17.3×10^-6/℃としてSUS304の値が近いのでは?と考えられます!
【返答】 ばね初心者 2017/10/27(金) 15:36
回答いただきありがとうございます。大変助かりました。
SWP-CはSWP-AとSWP-Bの物性値と同じということでしょうか。
また、降伏強度(耐力)は記載がない場合、解析には影響しないということですか?
【返答】 ばねっと君 2017/10/27(金) 15:54
ばね初心者さま
SWP-CはJIS規格にありませんので機械的性質は材料製造メーカーの規格となります!
JFEテクノワイヤー(株)殿のWEBサイトで引張強さの記載がございますよ!
SWP-AとSWP-Bの降伏強度(耐力)はJIS規格に規定されていませんが、
引張り強さの約90%程度ではないかと推測いたします。(材料ロットにより異なります)
解析については、解析の内容にもよるかと思いますが、常温時の応力解析であれば弾性係数とポワソン比
で発生応力は解析できるかと思いますがいかがでしょうか??
応力評価の際に、耐力を考慮されるのであれば、実際に材料を引張試験でご確認されるのが
確実だと思われます。ミルシートを確認されても良いかもしれません。
よろしくお願いします!!
【返答】 ばね初心者 2018/10/10(水) 19:32
SUP2とSWP-Aは異なる材質なのでしょうか?
SUP2のバネをSWP-Aのバネに変更しましたが、寿命について変化はあるでしょうか?
【返答】 ばねっと君 2018/10/11(木) 17:32
ばね初心者さま
ご投稿ありがとうございます!!
SUP2とSWP-Aは化学成分が異なります。
従いまして、異なる材質となります。
耐久性についてのご質問については、
SUP2とSWP-Aの機械特性を比較をすればご確認頂けると思いますが
文献資料からはSWP-Aの方が耐久性が高くなると考えられます。
ばね鋼 2種(SUP2)
C: 0.60~0.75 Si: 0.15~0.35 Mn: 0.30~0.60 S: 0.035以下 P: 0.035以下
引張強さ:1128N/mm^2 以上
SWP-A (代表:SWRS82A)
C: 0.80~0.85 Si: 0.12~0.32 Mn: 0.30~0.60 S: 0.025以下 P: 0.025以下
引張強さ:1420~1570N/mm^2 (線径φ10 )
よろしくお願いします!!
【返答】 ばね初心者 2022/3/1(火) 8:40
SWP-Aの先端にネジ棒を溶接したのですが、
材質は何がよろしいでしょうか?
用途はネジ部に球体をつけ、押したり、引いたりする作業です。
【返答】 ばねっと君 2022/3/1(火) 8:48
ありがとうございます!
ばね鋼に溶接しますと、溶接した箇所が固くなり、早期折損の原因になるため
原則行わない方がよいかと思います。
溶接を行う場合は低炭素鋼を検討してみてはいかがでしょうか。
宜しくお願いします!
※ご質問と回答は一般公開されますので特定される内容には十分お気をつけください。