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疑問・お悩み相談室

板バネ用材質の機械的性質について

【ご相談内容】 ばね初心者

板バネ材質を検討しています。
SUP7、SUP9の「硬さ」「引張強さ」「ヤング率(縦弾性係数)」を教えていただきたいです。
また、コストはSUS304と比較してどれくらいかかるでしょうか?

分かる範囲で構いませんので教えていただければとありがたいです。

【返答】 ばねっと君

SUP7、SUP9の機械的性質については、SUP10と同等となります。
硬さ:HB388~461、引張り強さmin1330N/mm2、ヤング率206000N/mm2と見て良いかと思います。
コストについては形状に左右されますので一概には比較は難しいですが、材質だけを考慮すればSUS304はSUP材に対し1.5倍程度になるかと思います。

【返答】 ばね初心者

ご回答ありがとうございます。
大変助かります。

また、検討している板バネの使用環境ですが、
耐食性、耐酸性、耐高温性(100℃程度)、が必要となります。

現状はSUS304を使用していますが、こちらと比較するとどうでしょうか?
また、SUP材で上記の使用環境に適している材の推奨があれば教えてほしいです。

以上、よろしくお願いいたします。

【返答】 ばねっと君

SUS304の方がSUP材と比較して耐食性、耐酸性、耐高温性(100℃程度)ともに優れております。

SUP材では耐高温性(100℃程度)のみ適合しますが、耐食性、耐酸性はよくないのでSUS304の

代替品としては使用不可です。

以上よろしくお願いいたします。

【返答】 ばね初心者

お礼が遅くなり申し訳ありませんが、
先日は、ご回答頂きありがとうございました。

耐酸性、耐高温性について条件の良い金属を検討しましたところ、
タングステン、モリブデンが良いのではと考えました。

タングステンやモリブデンで板バネを作成した実績はありますでしょうか?

【返答】 ばねっと君

ばね初心者さま

ご連絡ありがとうございます!!
一般的に単一成分による鋼材ばねに適用する例はほとんどありません。

タングステンやモリブデンなどは、耐酸化性や耐熱性にも優れ、ばね用材料に含有されている
化学成分となり、これらの成分が複数混合させた合金鋼としてばねに適用されます。

例えば、耐熱性を有している、SKDといった工具鋼やインコネルといった特殊鋼にも上記のような
成分が含有しています。

ご使用の環境が、100℃前後で若干の腐食環境であると推察いたしますが、ご使用している板ばね
腐食やヘタリといった問題が特に生じていないのであればSUS304は適切な材料と判断できます!!

使用上、問題が発生している場合は、お気軽ご相談くださいませ!
適切な設計提案をさせて頂きます。
宜しくお願いします!!

【返答】 ばね初心者

CFRP製板バネ材を製造した際の形状・サイズ変化が及ぼす特性を知りたいです。
板バネのサイズや、曲がり角度などを変化させたときの違いを知りたいです。

【返答】 ばねっと君

ばね初心者さま

ご投稿ありがとうございます!
CFRP製の板バネについて、形状やサイズが及ぼす特性についてですが、
形状やサイズによる特性計算は、荷重の負荷方法や作用点によって決まってきます。
その際、材質の違いによって弾性係数が異なりますので、CFRPの弾性係数を適用することで
特性を導くことができます。

ただし、板バネの場合は、複雑な形状となると単純計算が難しく、FEM解析などによって
特性を算出する場合もあります。

宜しくお願いします!

【返答】 ばね初心者

真鍮の型打ちの板に真鍮を加工して曲げた板をロー付けしてクリップを作ったのですが、戻る力が弱すぎたため、うまくできませんでした。
ロー付けするのに最も適した素材は何でしょうか。ちなみにサイズはタイピン程度の大きさで用途もほぼ同じです。
バネの知識が全くなくて済みませんが、参考にできる回答有りましたらお願いしますm(__)m

【返答】 ばねっと君

ばね初心者さま

ご投稿ありがとうございます!!
真鍮のばねは当社でも実績がありません・・・
螺旋形状の加工実績はありますが、ロウ付けは実績がありません・・・

真鍮は、柔らかく、ばねとして十分な材料強度を得ることが難しく、製作されたクリップも
十分な反発力が得られなかったものと考えられます。

必要な反発力や使用環境がわかりませんが、鉄系材料でないとなると、薄板ばねであれば、
SUSのCSP材を使用してみては如何でしょうか?

詳細の条件をこちらからご連絡頂けましたら、設計のご提案をさせて頂きます!
よろしくお願いします!!

【返答】 ばね初心者

急な質問で大変恐縮ですが,JIS G 4801 ばね鋼鋼材 の機械的性質について確認したいのですが,JISガイドブック2020~2004程度まで遡って確認しましたが,見当たりませんでした。
ネット上には掲載されているメーカーさん等いらっしゃいますが,ばね鋼鋼材の機械的性質はメーカー側で一意的に決定するのでしょうか。
それともさらにさかのぼればJISとして記載されている時期があるのでしょうか。

こちらに問い合わせてよい事項なのか分からないのですが,他に頼れるところもなく記載させて頂きました。
お手数お掛けしますが何卒よろしくお願いいたします。

【返答】 ばねっと君

ご質問ありがとうございます。
機械的性質については、1984年版までは参考表として、本体の末尾に記載されておりました。
しかし、2005年版からは、解説に移行しているため、JISのハンドブックのばね鋼鋼材には記載が
ありません。JISハンドブックでは、JISハンドブックⅠの参考6に移行されています。
さらに、2021年からは解説からも削除されています。
現在、ウェブサイトなどで、掲載されている機械的性質は、1984年版に掲載されていた表をもとに
あくまで参考として、掲載または引用されているものになるかと思います。

JISに掲載されなくなった理由は、参考としながらも設計値として使用されてしまうという問題が
あったためです。本来、熱処理後の機械的性質は、鋼材のサイズや熱処理条件の影響を大きく
うけます。1984年版に掲載されていた機械的性質は、所定の寸法の標準試験片を熱処理して
得られる機械的性質を記載していたため、実際に使用されるばねの材料サイズとは異なることが
ほとんどです。そのため、実際のばねの熱処理後の機械的性質を保証されるわけでありません。

ばねメーカーによって、鋼材の調達元(材料メーカー)、取り扱っている鋼種、サイズ、熱処理条件、
設備など様々な部分で条件が異なりますので、各メーカーが独自に、機械的性質や熱処理後の
硬さのねらい値や管理値を設定しているのが実情かと思います。

余談にはなりますが、一方で設計者サイドとしては、何かしら標準的な値や一般的な値を使用したい
という思いはあるかと思います。そのため、一旦は資料を参考に設計し、ばねメーカー等に確認して、
設計の詳細を詰める作業を踏まれるのがよいかと思います。より厳密に確認するには、引張試験を
実際の材料で実施するという手段もあります。

【返答】 ばね初心者

JIS G 4801 ばね鋼鋼材 の機械的性質 について質問させて頂いた者です。問い合わせしたままで申し訳ありませんでした。
ご返信頂いた内容,大変参考になりました。誠にありがとうございました。

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