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一般的にSWP-A、Bは非常に高い引張強さを有する鋼線でありますが、適度の靭性もあり、バネ材料として優れたものです。SUP9は、マンガンやクロムを多くすることで焼き入れ性に優れ、焼入れ・焼戻しによって強度と靭性を備えたものになります。
今回、線径がφ12のコイルバネとのことで、SWOSC-Bが代替提案される可能性もございます。理由としましては、SWOSC-BはSWP-A、Bで標準線径として規定されていないφ10mm以上の線径があります。JIS規格の規定範囲としてはSWP-A、Bが0.08~10mm、SWOSC-Bは1.00~15.00mmとなります。化学成分は、SWOSC-BはSUP9に比べ、シリコンが多く耐ヘタリ性が高くなります。また、引張強さと弾性限及び0.2%耐力も高くなっています。なお、SWOSC-Bは、線径1.4mm以上の太さだとSWP-Aより引張強さがあり、線径4.0mm以上の太さだとSWP-Bより引張強さがあります。また、弾性限及び0.2%耐力が高く、耐熱性も高いものとなります。
材料の入手性に関しましては、SWP-A、B、SWOSC-Bは冷間成型用でJISに記載の標準線径の範囲内であれば一般的に入手できるものとなります。またSUP9に関しては熱間成型用となり、板バネ製造用の材料が一般的ですが、線径13mm以上が入手しやすく、線径13mm未満ですと入手が難しいものとなります。
詳細な機械的性質や成分表等はJISG3522(SWP-A、Bピアノ線)、JISG3560(SWOSC-Bオイルテンパー線)、JISG4801(SUP9)を参照いただきますと幸いでございます。
以上宜しくお願い致します。