【ご相談内容】 クレセント錠のばねをみつけたい 2022/11/15(火) 8:58
アルミサッシに使われている、クレセント錠のばねが錆びて折れていることがよくあります。
ばねを交換したいのですが、適切なものを見つけるのにものすごい時間がかかります。
簡単にばねを見つける方法を教えてください。
当該のばねはクレセント錠ごとに少しづつ違っています。
・ばねの太さ、長さ
・ひっかける部分の形状
・ひっかける部分の位置(中心だったり軸の外周だったり)
製造元が倒産などでなくなっていることが多いので、同じものを入手するのは無理だし、その必要もありません。汎用品でよいのですが、特にばねの強さがどのくらいのN/mmのものが適当なのか見当もつきません。
例えば、このようなばねです。
https://parts-st-grp.jp/view/item/000000000380
三協アルミのクレセント錠はこのばねが使われているので良いのですが、三協以外のサッシはたくさんあって当然ことなる仕様のものが使われています。
是非、現実的に解決できる良きアドバイスをいただけないでしょうか?
【返答】 ばねっと君 2022/11/15(火) 11:52
ご質問いただきありがとうございます。
クレセント錠用の小さな引きばねを市販品の引きばねで交換するには、折損した引きばねの
以下の点に注意して選定していただけるとよいかと思います。
①材質
錆びて折れやすいのであれば、ステンレス(材質表記:SUS304-WPBなど)を選定することお勧めします。
ただし、折損品はおそらく、ステンレス以外の材質かと思いますので、材質の違いによるばね特性への
影響が発生します。例えば、折損品が鉄系の材料(材質表記:ピアノ線、鋼鋼線、鋼線など)だった場合、
全く同じ形状のステンレスの引きばねと交換すると、ばねの荷重は約13%弱くなります。
荷重が弱くなってもクレセント錠の機能を満足するかどうかは、購入して試すしかありません。
②線径
折損品の線径を測定できればよいですが、材料の線径は同じものがよいです。
もし、ホームセンター等で現物と比較しながら選べるなら目測で近しいものを選んでください。
③外径
これも線径と同様ですが、折損品できるだけ近いものを選んで下さい。
④巻数
折損品と同じ巻数のものを選んで下さい。
⑤長さ
おっしゃるように市販品は、長さが“自由長”、“長さ”、“全長”など様々な表記がされているので、
どの部分の長さが分かりにくいですが、通常、自由長は“フックの内-内”の寸法です。
ただし可能な限り現物を測定されほうがよいです。折損した各パーツを並べて可能な限り再現し、
同じ自由長のものを選定してください。②~④が完全に一致するものは見つからなくても、
これは、一致させたほうがよいです。
伸びた時の荷重特性まで一致させようとした場合は、若干難易度が高くなります。
市販品の引きばねは、密着巻きで巻かれているものが多く、この場合、引きばね特有の初張力を
加味する必要が出てくるかもしれません。市販品のばねは、ものによっては最大伸び長さや最大荷重が
記載されていますが、これが初張力を加味したものかどうかは、計算してみないと分かりません。
①~⑤が分かれば計算によって、確認ができますがばねの設計の知識が必要になります。
現実的には、①~⑤を満足するものを選び、取り付けてクレセント錠が機能するかどうか、
確認し、もし機能しないのであれば、その状況に合わせて少し仕様の異なるばねを選ぶ方が
よいかと思います。
※ご質問と回答は一般公開されますので特定される内容には十分お気をつけください。