ご質問いただきありがとうございます。
ばね座金の機能については、よく議論や話題になりますが、答えとしてはどちらも正しい
ということになるかと思います。
理由としては、ばね座金を使用する設備や機器の品質や精度、重要度、さらにばね座金の使用目的や
機能に対する期待の程度、といったことも考慮する必要があるからです。
ばね座金の反力は、ボルトの締結力に比べ、かなり小さいため、ゆるみ止めの機能については
期待しすぎてはいけません。また、その他の機能としては、ボルトが緩んできたときの脱落を遅らせる
効果や組立時にばね座金の力で被締結物を軽く固定し、締結位置の微調整がしやすいといったことが
あげられます。
ばね座金は、使用していると程度に差はあるかと思いますが、通常のばね同様へたりは発生します。
へたりが発生した場合、完全に平らになっていれば反力はありませんので、ばね座金としては、
機能しません。しかし、へたりが少なければ、新品よりは反力が少なくなり性能は落ちるものの
残っている反力の分だけ、ばね座金の機能は残ります。
一度使用すれば、へたり以外にも傷や腐食といったことも発生する可能性があります。
ばね座金は基本的に安いものです。一度使ったばね座金を新品と比較して、へたりの程度や状態を
確認し、再利用の可否を判断するといった手間はかけられないかと思いますので、性能が落ちている
可能性のあるばね座金を使用するくらいなら、少しだけコストをかけてでも新品のばね座金を使用する
ほうが、品質や手間を考慮するとより良いという判断は発生するかと思います。
一方で、手持ちに新品がないため、後で交換することを前提に応急的な処置で使用したり、自己責任の
範疇で使用していたり、ボルトで締結できていればよく、座金の機能をそもそも必要としない設備や
機器に対しては、少しでも機能が残っているのであれば、使用するといった判断も実際には発生するかと
思います。