ご質問いただきありがとうございます。
測定に差が出る要因は、多岐にわたるためご記載の内容だけでは、特定が困難ですので、
考えられる範囲の要因を記載します。
まず、以前はA拠点、B拠点どちらの試験機も同一のばねであれば、同じばね定数を測定していた
ということであれば、その期間から現時点までの試験機に対する変更点を確認願います。
次に、今回が初めてのばね定数測定ということであれば、要因は以下のものが現在考えられます。
・同じメーカーから購入した同じ型の試験機でも試験機の規格を満足する範囲で測定結果に
差は発生します。逆に全く同じ結果を示す試験機を入手するのは容易でないことは、
ご留意ください。校正記録を見れば、その差は分かるかと思います。
・ロードセルは問題ないとのことですが、定格容量(測定可能な最大荷重)の差をご確認下さい。
測定値の分解能の変わるため、結果に影響します。
・変位計の器差をご確認下さい。測定結果に影響します。また、定格容量(測定可能な最大変位量)の
差をご確認下さい。測定値の分解能の変わるため、結果に影響します。
・試験機の機構的な差、動作方式やバックラッシュといったことにより、実際の圧縮量や試験機の
制御に影響します。
・ばねを設置面と圧縮する面の精度をご確認下さい。ばねの圧縮方向や変位量に荷重値に影響します。
・メーカーへの確認が必要ですが、制御ソフトやプログラムに差があるかご確認下さい。荷重や変位の
検出、ばね定数の算出に影響します。
・制御計の設定値に差があるかご確認下さい。動作速度や測定時の停止、自由長の検出に影響します。
・可能性は少ないかと思いますが、ばねの設置位置でも測定結果に差が発生する場合があります。
可能な限り、検出部の延長線上にばねがくるように設置した方がよいです。
・温度差についても、全く影響しないということはないですが、温度差が5℃程度しかなく、
線膨張係数を考慮しても、通常、変位に与える影響は少ないかと思います。かなり微小な荷重や
変位をもとにしてばね定数を測定している場合は、考慮が必要です。
・測定前の作業で、ゼロ点合わせの実施の有無を確認下さい。変位の測定結果に影響します。
最後に、以上の確認や検証には、余裕があれば、試験機の校正に使用される力計や変位計、
ブロックゲージを準備されると基準が明確になり、確認がしやすくなるかと思います。