ご質問いただきありがとうございます。
確かに、ピアノ線等の標準線径の刻みとしては、・・・2.6mm、2.9mm、3.2mm・・・と
きりの良い刻みにはなってないですね。
正直に申しますと、当時どのように各鋼種の規格を制定したのかわからないため、確かなことは
わかりません。制定当時の規格が入手できれば、何か記載されているかもしれません。
また、材料メーカーに問い合わせ方がより詳しいことが分かるかもしれません。
しかし、その経緯について以下のように推測します。
例えばピアノ線も含め昔から存在するような工業製品や材料は、欧米の影響をかなり
受けていると思われます。材料を作るための設備や技術も国内で完全に作れるようになるまでは、
欧米から取り入れてきていることがほとんどかと思います。
その場合、長さを含め単位や数値も欧米の影響受け、長さであればインチやフィートといった
単位をもとにしたものが日本でもスタンダードになっていたと推測されます。
規格を制定する際に、欧米の規格を参考にしたかどうかはわかりませんが、
米国ワイヤゲージ規格(American wire gauge、略語AWG、規格ASTM B 258)にある
各サイズの一覧をみると、ピアノ線の標準線径の刻みと近い数値の部分があります。
その中で、2.6mm、2.9mm、3.2mmに近いものは以下のとおりです。
No.10=0.1019in=2.588mm
No.9=0.1144in=2.906mm
No.8=0.1285in=3.264mm
すべての標準線径が一致しているわけではありませんし、改訂される際に何かしら
日本国内の状況に合わせて調整されている可能性ももちろんあります。