ご質問いただきありがとうございます。
規格品を考慮した上で設計を始めれば、おっしゃるように規格品だけで機械や装置をつくることも
可能です。しかし通常設計する場合、機械や装置に求める機能や能力が前提条件としてあって、
それを満足するばねを探すという流れがよくある設計の流れかと思います。
その際に規格品が採用可能であれば採用し、設計を見直しても規格品が使えないようであれば、
特注品を採用となるかと思います。
また、機械や装置をよりコンパクトに、または長寿命、軽量化、耐食性、耐熱性など何かしらの
性能向上を図る場合、規格品では十分に満足させることができないことがほとんどです。
より高強度な材料を使う、特殊な合金の入った材料を使う、ぎりぎりの形状設計をするといったことが
必要になり、特注品が採用されます。
規格品はよく使うのは一般的に見られるような機械や装置がほとんどです。しかし、業種によっては、
機械や装置自体の製造が少量やオーダーメイドといった業種もあり、必然的にばねも特注品に
なりやすいです。
コイルばねの場合、鋼種にもよりますが、線径0.08~13mmくらいの範囲では線材として存在し、
ある程度市場性もあるので量産化しやすく、規格品として存在するのもおよそこの範囲となりますが、
この範囲を外れると量産化し難くなり、受注生産であったり特注品になるかと思います。
また皿ばねの場合、JIS B2706に外径サイズが8~250mmの範囲で重荷重用と軽荷重用の2種類が
規格化されていますが、コイルばね同様この範囲を外れれば、特注品です。また、外径が
大きいものほど、需要がなくなるので規格品でも受注生産という場合はよくあります。
規格品から少し形を変えれば特注品になりますが、製造方法はあまり変わらないので、
量がまとまれば安くなり、受注が見込めれば在庫を作ることで納期も早くなる傾向に
ありますので、結果として特注品ではあるが、メーカー独自に規格品化しているというものも
たくさんあるかと思います。