ご質問ありがとうございます。
SUP6とSWCの主な違いについていくつか回答します。記載した内容以外の違いや詳細については、
各鋼種の規格をご確認いただけるとよいかと思います。
・規格の違い
SUP6・・・JIS G4801(ばね鋼鋼材)に規定
SWC・・・JIS G3521(硬鋼線)に規定
・規格内の標準線径の範囲の違い
SUP6・・・9~80mm(線材は、32mm以下)
SWC・・・0.08~13mm
※線径によって市場性が異なります。また、標準線径の刻みについては、各鋼種の
規格を参照願います。SUP6はSWCに比べ市場性がない材料になるかと思います。
・成分の違い
SUP6・・・C:0.56~0.64、Si:1.50~1.80、Mn:0.70~1.00、
P:0.030(0.035)以下、S:0.03(0.035)以下、Cu:0.30以下
SWC ・・・C:0.74~0.86、Si:0.15~0.35、Mn:0.30~0.90、
P:0.030以下、S:0.03以下
※SWCは、JIS G3506(硬鋼線材)の中の80カーボンと呼ばれるSWRH77A、SWRH77B、SWRH82A、
SWRH82Bのいずれかから、製造されます。上記成分範囲は、この4鋼種の最大と最小の範囲を
カバーしたものです。4鋼種の成分の違いは、JIS G3506を参照願います。
・成形後の熱処理の違い
SUP6・・・焼入れ、焼戻し
SWC・・・低温焼きなまし
※SUP6は、焼入れ、焼戻しをすることでばねとして適切な強度を有します。
SWCは、材料の段階でばねとしての強度を有した材料であるため、低温焼きなましとなります。
上記の違いにより、SUP6に引張強度は規定されていませんが、SWCは規定されています。
・成形方法の違い
SUP6・・・サイズや形状、成形する機械の能力によっては熱間加工
SWC ・・・基本的には冷間加工
※SWCは、材料の段階でばねとしての強度有した材料のため、加熱温度によっては、
強度が失われます。