【ご相談内容】 CD 2021/6/9(水) 19:30
東海ばねさん
こんにちは、以下の二つの質問を聞きたいのですが、よろしくお願いいたします.
① 小さな歯付座金(皿形)の硬度を測定する際、測定値が正しいではないと言われました。他の方に聞き、皿
形の歯付座金が非常に小さいので、測定する際、製品の外周が測定器にぶつかり、圧子は製品との測定面
が垂直にすることができないので、測定値が正しくないと言われました。正しいかどうか分かりません
が、教えていただけないでしょうか。
➁ 製品の平面度を測定していますが、測定器の様式はPPTに記載され、添付の上、ご確認ください。同僚
に「対象物を精密な平面テーブルの上に載せて固定し、ダイヤルゲージの測定部が測定面に触れるように
セットします。測定箇所が均一になるように対象物を動かし、ダイヤルゲージの値を読み取ります。それ
らの偏差の最大値が平面度になります。」と言われました。
その中で、偏差の最大値の意味を考えましたが、製品の表面に凸の所、凹む所があります。仮に、凸の
部分に「+」に表示し、凹む所に「-」に表示するとなると、偏差の最大値のことは「+」と「-」の差
の絶対値ということでしょうか。例えば、凸の部分の数値が1、凹む所の数値が-2とすれば、平面度は|1-
(-2)|=3ということでしょうか。
正しいかどうか分かりませんが、教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします.
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【返答】 ばねっと君 2021/6/9(水) 20:41
質問ありがとうございます。
各質問について、以下のとおり回答します。
①について
硬さ試験は簡単なようで、ちょっとしたことで測定誤差などが発生しますので、注意が必要です。
圧子が測定面に対して垂直になっていない場合、必要な試験荷重が適切に負荷されないため、
正しい測定ができません。その原因が、製品の外周が測定器にぶつかることであるならば、
ぶつからないように座金を移動して測定する必要があります。
硬さ試験での注意点は、細かくあげるとたくさんあるため、網羅することは難しいですが、
いくつか記載します。今回の事象に含まれない内容もあるかと思います。
詳しくは、書籍やWeb上で検索すれば、簡単に収集できる内容です。
・測定対象の測定面の厚さや想定される硬さに対して、試験機や試験機の試験力の
選定は適切か。
・測定面の表面粗さが粗くないか。
・測定面の大きさ(面積)が圧子に対して適切か。
・測定面が圧子に対して垂直か(傾いてないか)。
・他の圧痕から適切な距離をはなしているか、また測定対象の端部からの距離は適切か。
・測定面の表面粗さを整える際に、熱影響などないか。
・受台に測定対象が安定してのっているか。
(場合によっては、測定対象の一部を樹脂に埋めるなどの対応をしているか)
・圧子が当たる面とは反対側の面が受台から浮いてないか(測定対象が変形していないか)
・圧子の接触面が平面ではないため、圧痕の大きさの読み取りに誤差が生じていないか
・圧痕のサイズを読み取る際の見方や明るさは適切か。
・試験機は校正されているか。
・試験機の不良、圧子の摩耗や破損はないか。
②について
平面度の測定方法や値の読みとしては、その認識で問題ありません。
測定範囲内の製品表面の凸と凹の最大差になります。
もちろん、製品を安定して測れているということは、前提条件としてあります。
※ご質問と回答は一般公開されますので特定される内容には十分お気をつけください。