ご質問いただきありがとうございます。
ばねに使用される材料には、熱処理により強度を持たせるものと材料の時点で強度があるものがあります。
疲労限度を高くするには、引張強さを高くする必要があります。ただし、いくらでも強くできるか
というと限度があります。
熱処理により強度を持たせる材料の代表としては、ばね鋼(SUP材)があり、成形後焼入れ、焼戻しが必要になります。熱処理をする前は、生材ですので、ばねとして使用できるほどの強度はありません。
熱処理時には、表面の脱炭を避けること、できるだけ深部まで焼入れることなどが大切で、時間管理や温度管理、炉内の雰囲気の管理、冷却までの時間、冷媒の温度・品質、攪拌状態の管理を適切に行う必要があります。
材料の時点で強度がある材料としては、オイルテンパー線やピアノ線、オーステナイト系のステンレス鋼線があり、低温焼きなましを成形後に行います。材料毎に適切な温度があり、残留応力の除去や引張り強さなどの機械的性質を
改善する効果があります。そのため、疲労限度に寄与します。