ご質問ありがとうございます。
SUP6とSUP10の違いは以下のとおりです。
SUP6は、Si-Mn系の鋼種で、SUP10に比べ、Si量が多くし、硬さや引張り強さを増やす効果をねらった鋼種になります。
SUP10は、Cr-V系の鋼種で、SiやMnのほかに、焼入れ性を高めるためのCrと結晶粒を微細化し、強靭性にするためVを添加しています。
また、SUP6は、SUP10に比べ、0.1%ほどCが多いです。
しかしながら、上記内容は、基本的焼入れ、焼戻しといった熱処理をすることを前提に合金元素を
添加しているため、生材で使用するということであれば、それらの効果は得られないため、
靭性や耐久性、強度といった部分にはほとんど影響しません。
また、ばね鋼は、生材の時点での強度などは基本的に決まっておりません。材料メーカーによっては、
製造能力や材料の加工性などを考慮して、生材の硬さなどを決めているかもしれませんが、
確認しなければ分かりませんし、各メーカーによって異なるのが実際のところかと思います。
過去のJIS規格に目安として、ばね鋼(鋼種は関係なく)の平鋼の硬さは302HB以下といった記載が
ありました。
また、材料商社のHPなどでは、SUP6の熱延後の硬さ45HRC以下、熱延+焼なまし後の硬さ97HRB以下、
、冷延+焼きなまし後の硬さ210HV以下、SUP10の熱延後の硬さ36HRC以下、熱延+焼なまし後の硬さ90HRB以下、冷延+焼きなまし後の硬さ190HV以下と記載がありますが、いずれの値も○○以下である
ため、最低の強度が保証されているわけでありませんので、生材に靭性や耐久性を求めるのは、
適切ではないかと思います。生材でよいのであれば入手しやすい炭素鋼などでもよいかと思いますし、
強度も求めるのであれば、強度を規定されているSS材を使用される方がよいかと思います。