ご質問いただきありがとうございます。
樹脂ばねの取り扱いや設計というのはないため、普段の金属ばねを設計するときの考え方を
ベースに回答します。
ばね定数を算出したいということであれば、残りは横弾性係数Gが必要になります。
しかしながら、質問に記載していただいている樹脂の物性値の中には、横弾性係数に相当するものは
ありません。これが分かるとばね定数の計算は早いかと思います。
分からない場合は、算出して求める必要があります。
算出するにあたっては、縦弾性係数(ヤング率)Eとポアソン比νが必要になります。
縦弾性係数は、樹脂の物性値の中の引張弾性率となります。
調べたところ曲げ弾性率は引張弾性率と近い値になるようですが、縦弾性係数は、
引張試験での値なので、曲げ弾性率ではなく引張弾性率を使用します。
縦弾性係数と横弾性係数、ポアソン比の関係は、以下のとおりです。
E=2G(1+ν)
金属材料の場合は、ポアソン比が0.3前後になりますが、樹脂の場合、調べますと0.3~0.5くらい
と材質によって差があるようなので、似た材質を参考に決定するといったことは必要になります。
金属材料では、縦弾性係数と横弾性係数、ポアソン比は基本的に文献に掲載されており、
上記の式のいずれか2つの値を入れて計算した値と文献の値を比較すると完全に一致することは
ありませんが、近い値にはなります。
厳密な横弾性係数が必要ということであれば、材料試験をして物性値を求めるしかありません。
質問では求められていませんが、ばねを設計するには、使用範囲が許容応力(ばねに永久変形(へたり)が
発生しない応力)以下になるように設計する必要があります。
しかし、これも質問に記載の物性値にはありません。金属ばねの場合、引張強さ(引張強度)に材質毎に
適切な安全率を掛けて許容応力を設定しますが、樹脂に関しては分かりかねます。
材料試験により求めるか、実際にばねを作ってどこまで変位可能か確認する必要があるかと
思います。