ご質問いただきありがとうございます。
おそらく実験で使用されたのは、圧縮コイルばねかと推測します。その前提で回答いたします。
圧縮コイルばねは、鉄球の落下によって受けたエネルギーをばねがたわむことで、
エネルギーとして蓄積しますが、どこにも逃がすことができないまま、瞬時にその
エネルギーを鉄球に返してしまいます。そのため、鉄球を落下させた直後にばねが衝撃を吸収して
鉄球が静止するということは発生しません。
しかし、ばねにはね返された鉄球がまたばねの上に落ちてきて、ばねがたわんで、鉄球を跳ね返す
ということを繰り返すと、いつかは停止します。
例えば、パイプの底面にばねを入れて、パイプの上面から鉄球を落とすと、鉄球は何回か弾みますが、
いつかは停止します。それは、鉄球が上下に移動している間に空気の抵抗でスピードが落ちたり、
ばねを変形させるためのエネルギーとして消費され、徐々に鉄球が上下に移動するためのエネルギーが
失われるためです。
よって、鉄球がばねに落下して瞬間的に衝撃を吸収し、静止させるには、鉄球を移動させるエネルギーを
徐々に奪うのではなく、瞬間的になんらかの方法で奪う必要があります。
それが可能なのは、車のサスペンションのように、圧縮コイルばねにダンパーというものを組み合わせた
ものやトラックなどに使用されて板同士の摩擦によってエネルギーを吸収する重ね板ばねなどが、
あります。摩擦によってエネルギーを吸収するばねは、同じ方向に重ねた皿ばねや輪ばねといったものも
あります。
若干余談にはなりますが、衝撃を吸収にゲルなどを使用しますが、そればねと異なり、うけた衝撃を
ゲル自体が変形するエネルギーに多く消費させることができるためです。