ご質問いただきありがとうございます。
重ね板ばねは、圧縮時(加圧時)の特性が線形的なものと
非線形になるものがあります。
その差は、重ねる板ばねの曲率と長さの違い、重ね板ばねの
構成の違い、支点の移動が関係しています。
いくつか例を上げて説明します。
曲率が大きく長い板ばね(主ばね)の外径側に曲率が小さく
短い板ばね(補助ばね)を同じ向きに重ねたばねの場合、
主ばねの両端が支持されており、先に主ばねが変形し、
それが進むと補助ばねに接触に一緒に変形するため、特性が非線形になります。
親子型と言われる重ね板ばねもあり、大きな重ね板ばね(親ばね)の
上に親ばねより小さな重ね板ばね(子ばね)が同じ向きに乗っている
重ね板ばねがあります。
この場合、取付時は親ばねの両端でのみばねが支持されており、
子ばねの両端は、支持されていません。
下から押し上げる荷重が親ばねに負荷され、ばねが変形し、
これが進むと子ばねの両端が、例えば車体等に取り付けられた固定板に
接触し、親ばねと一緒に子ばねも変形するため、特性が非線形になります。
重ね板ばねの両端の支持方法として、移動支持(上下、左右、回転自由)の
ような状態になった場合、重ね板ばねの支持点が両端から中心へと
移動する場合があると荷重が負荷される点とのスパンがかわるため、
特性が非線形になります。
他に、重ね板ばねは、戻り時(減圧時)の荷重が板間の摩擦の影響で、
荷重損失を起こすため、戻り時の特性は基本的に非線形になります。
ヒステリシス現象と言われるものです。
以上の理由で、特性が非線形となります。