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ばね初心者のためのちょこっと役立つばね用語/焼入れ・焼戻し・焼きなまし・焼きならし

キーワード
焼入れ
用語
焼戻し
焼きなまし
焼きならし

【ご相談内容】 ばねっと君

こんにちは!ばねっと君です!
今回も、ばね初心者のためのちょこっと役立つばね用語の解説をいたします!

Q1.焼入れ・焼戻しってなあに?
A1.焼入れ:オーステナイト化温度から急冷して硬化させる操作
   焼戻し:焼入れで硬化させたばねをA1点以下の適当な温度に再加熱、冷却しじんせい性を出させる操作。

Q2.焼きなましってなあに?
A2.適切な温度に加熱し、その温度に保持した後、冷却する処理。その目的は残留応力の除去、硬さの低下、被削性の向上、冷間加工性の改善、結晶組織の調整、所用の機械的、物理的又はその他の性質を得ることなどである。

Q3.焼きならしってなあに?
A3.結晶組織の調整、所用の機械的、物理的又はその他の性質を得ることなどである。

普段疑問に感じているばね用語などありましたらこの掲示板にどんどん投稿してください!
ばねのスペシャリストが丁寧にお答えいたします!

【返答】 ばね初心者

板バネ 幅6ミリ
板厚  0.4t
材質  SUS301 1/2H
処理  焼きなまし
R2にて曲げた部分に応力と2000rpmの振動が加わり、R2の突端部分が折れてしまう。
当初SUS304材を使用していたが、折れにはSUS301が強いのではとの事で変更しました。
より材質を柔らかくする方法はありませんか?
宜しくお願い致します。

【返答】 ばねっと君

ご質問いただきありがとうございます。
板ばねの加工性は維持しつつ材料の強度を上げたいということであれば、
SUS301-CSP 1/2Hの選択は、よい選択になります。
しかしながら、そもそもの要因として負荷される応力に加えて、2000rpmの振動も
折損に対して何らかの影響を与えているということであれば、応力や寿命評価などの
設計を再度確認された上で材料選定されることをお勧めします。

SUS304CSPやSUS301CSPに施す熱処理は、焼なましではなく、低温焼なましとなります。
焼なましをしてしまうと軟化してしまい、材料としての強度がなくなってしまい、
ばねとして使用できなくなるため、ご注意ください。
低温焼なましは、曲げ加工などで発生した残留応力を除去し、機械的性質(引張強さ、降伏点)を
改善させる効果があります。温度は、400℃前後となります。

折損しないようにするには、材料の強度を上げる、つまり硬いものを選ぶ必要があります。
もちろん硬さにも限度はあります。
柔らかいものを選ぶまたは柔らかくすることは材料の強度が下がり、へたったり折れやすくなるため、
逆効果となります。
加工性は維持するために柔らかい材料がよいが、折れないようにするためには、
強度が高い(硬い)方がよい、ということで相反するものなので形状等も含め何を重視し、
何を譲るかは、検討する必要があります。

ばね用ステンレスは、その他SUS420J2やSUS631などありますが、これはSUS304,SUS301と
異なり、熱処理により材料の強度を上げるため、加工時は柔らかいです。
熱処理条件によっては、SUS304,SUS301より強度を上げることができます。
ただし、SUS420J2は耐食性の部分で劣ります。SUS631もSUS420J2よりはよいが耐食性で
劣り、価格も高くなります。

【返答】 ばね初心者

焼きばねとはなんですか

【返答】 ばねっと君

ご質問いただきありがとうございます。
そういった表現を今まで目にしたことがないため、推測での回答となりますが、
熱処理(焼入れ、焼戻し)をされたばねのことでしょうか。

意味として不適切であった場合は、お手数ですが、再度ご質問いただきますよう、
よろしくお願いいたします。資料の中などで、出てきた用語であれば、それを
添付していただけますと、ご協力できる部分があるかもしれません。

【返答】 ばね初心者

毎度お世話になっております。
板バネ0.5t sk材ですが、焼き入れのみで焼き戻しをしておりません。
その為なのか、曲げ力を加えると簡単に折れてしまいます。
以下、ご教示頂ければ幸いです。

①後から(納品後1ヶ月過ぎている)焼き戻しは可能ですか?
尚、この板バネには、処理にメッキ処理(Ni)が施されています。

②sk材→抜き+曲げ加工→焼き入れのみ→メッキ処理(Ni)
一般的に、焼き戻しはしないものなのでしょうか?
業者に確認した所、最近は焼き戻しはしないと言われております。

【返答】 ばねっと君

ご質問いただきありがとうございます。
まず、①、②の各質問について回答します。

①について
後からでも焼戻しは可能ではありますが、Niメッキが、焼戻し時に高温に晒されることで、
メッキとしての機能を損なう可能性はあります。実際に完成品に対して、焼戻しをされる際は、
ねらいの硬さにするための温度条件設定するに、完成品をいくつか使用して処理を行い、
さらには、メッキの性能低下がないか確認するため、なんらかの耐食性試験をされることを
おすすめします。

②について
通常は、熱処理後の硬さについても図面や仕様等で業者と顧客の間で取り決めた上で
ばねを製作されているかと思います。その硬さを満足させるにあたり、焼入れのみでなければ、
達成することができないのであれば、焼戻しはしないということになります。
焼入れのみということであれば、高めの数値の硬さが設定されている可能性があります。
よって、通常の焼戻しの要否については、設定されている硬さのレンジ次第となります。

最後に、高めの数値の硬さを設定することで、引張強さや許容応力は高くなるため、
応力的に使用範囲が広くなり、寿命的にも有利になりますが、折損の仕方は、脆性的な破壊になり
突然折れるような破壊となります。
一方で低めの数値の硬さを設定することで、引張強さや許容応力は低くなるため、
応力的に使用範囲が狭くなり、使用条件を変更しないまま使用するとばねがへたりやすくなり、
寿命的にも不利になります。折損の仕方は、延性的になり、突然破壊するのではなく、変形が
徐々に大きくなって最終的に破壊されます。

よって、焼戻しにより、硬さを低くした場合、使用条件も見直さなければ、結果として、
ばねに求める機能を満足しない可能性もあります。今回、熱処理の条件に加えて、
使用条件や設計条件も含めて、再検討されることをおすすめします。

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