ばね探訪 - 東海バネのばね達が活躍するモノづくりの現場をレポート

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東海バネ工業株式会社

商社の価値 | 辰巳屋興業株式会社 様

第2話

【カメラマンの目】辰巳屋興業株式会社様

いくつかの橋を渡り、港湾地区を走る。巨大なコンテナや倉庫群を抜けると、そこに辰巳屋興業株式会社の大阪営業所はあった。

鋼材と自動車部品

まずはインタビュー。辰巳屋興業の方々に、ばね探訪スタッフがお話をきく。
話を聞きながら会議室で撮影をしていると、1枚の絵に心を奪われた。そこには、色々な自動車部品が描き込まれた構図、道、空がカラフルに広がっている。
絵の片隅には、「From Tiss to TMY with love!」と記されている。後で質問をしてみると、Tissというロシアの自動車部品デストリビューターが、辰巳屋興業(TMY)に敬意を表して贈呈していただいた絵、とのこと。本当に愛されているんだな、と納得。

鋼材部ということで、当然鋼材ばかりと想像していたのだが、実は辰巳屋興業は、自動車部品の一大卸元だったのだ。クルマ好きのカメラマンとしては、勉強不足を恥じた。
補修交換用の部品、リビルド品、油脂類、工具類、自動車関連用品、その種類は多岐にわたっていた。しかも知っているブランドばかり! その中にRG(Racing Gear)があった。

スポーツ走行愛好家のためのブランド、RG

RGは、クルマ好きにとっては、もはや記号化されたブランドだ。それが辰巳屋オリジナルであったことを、今回初めて知った(面目ない)。
車高調整式ダンパーをはじめ、ヘッドライトのバルブに至るまで、RGの守備範囲は広い。このマークのステッカーを貼って走っているスポーツ走行愛好家は数多い。そう、サーキットに行けば、その数はもっと増える。

鋼材という地味?な商品に隠れて、こんなすごいブランドが育っているとは知らなかった。それも、取引先の愛知製鋼など、クルマに根ざした企業があったからこそなのだろうか。

静かな倉庫と、静かなオフィス

インタビュー終了後、倉庫へと足を踏み入れた。かんかん照りの暑い日だったが、鋼材が並ぶ倉庫には、ちょっとひんやりした風が流れていた。
ズラリと並ぶ鋼材、様々な種類がある。それを、熟練のメンバーがワイヤリングして、次々と移動させていく。ワイヤーのかけ方ひとつで、バランスをとり、鋼材のしなりを調整している。まさに職人技だ。倉庫内で響くのは、かすかなウィンチモーターの音。静かにしずかに、出荷を待つ鋼材が印象的だった。

取材の最後に、ご挨拶をするために一般事務のオフィスにお邪魔した。ここも静か。張りつめた空気の中、スタッフはみなテキパキと仕事をこなしているのが見て取れる。この静かな流れが、卸というビジネスを動かしているんだと、納得。

駐車場に戻り、カメラ機材をクルマに載せていると、集積エリアから大型トラックが出て行く。その横っ腹には有名なロゴが・・・あっ、ここも辰巳屋興業から仕入れているんだ。なんだかちょっと、自慢したくなるような光景だった。