ばね探訪 - 東海バネのばね達が活躍するモノづくりの現場をレポート

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あんなこんなニュース

東海バネ工業株式会社

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2015年11月24日

Tanner crabs and a sea goblin!!!

11月となりました。なにかと冬の時期に担当します、にこ平です。

めっきり寒くなりましたね・・・
今年も冬の訪れを感じております。季節の変わり目なので風邪を引かないようにね!

さて、ここ山陰地方では11月6日の午前0時に『カニ漁』が解禁となりました。
もう食べられましたか?3月20日が漁の終了ですよ!鳥取港の松葉カニ初競り値は過去最高の1杯『70万円』が出たとか・・・!?そんなん聞いたら手が出ませんよね・・・

松葉蟹とはズワイガニの雄蟹を言うんです。
ちなみに雌はセコガニで卵(外子・内子)をもってる珍味で人気の蟹です。リーズナブル
どこもかしこも、○○漁港、○○丸で水揚げされました!というタグ付き『ブランドかに』です。
間人蟹・越前蟹など様々有名ブランドはありますが、今回はにこ平の地元津居山特集!
私、にこ平の友人に漁師をしている方がいますので、日頃の美味しい海の幸を獲っていただいてる感謝を込めて、ご紹介させていただきます!カニが高い理由がわかるかも!!

津居山漁港を拠点として、日本丸の船員をしている石橋俊彦くん(32)。将来の船長!
この海坊主とは小さい頃からの幼馴染で、25年来の付き合いです。
こんなナリして岡山理科大学理学部出身のインテリ漁師 笑
彼の親父さんがこの日本丸の船首で津居山イチの船長なんです。

卒業後5年ほどサラリーマンをしていたが、ある夜晩酌を酌み交わしていた際、今後の日本丸どうする?って話から親父が漁師になった頃の昔話を聞いた・・・
船員たちの将来を託されていること、津居山に居れば船首(オーナー)になるのは夢のような話だった。祖父、親父と根っからの漁師家系で育った彼は、そんな親父の姿を見て、サラリーマンの道よりどんどんと漁師の魅力に惹かれていった。
結婚の決まっていた嫁にも相談もせず、自分の道を歩き始めた。後からめちゃ怒られた!

漁師の世界は船長の息子だからといって、特別扱いなんてされません。
船長―機関長―甲板長―甲板員の中の甲板員の一番下っ端です。役割は炊事長。
皆と一緒に仕事をしながら休憩時間にはご飯を作る。揺れる船の中、ろくに睡眠も出来ない状態の過酷な状況の中での日課です。ちなみに船員は6~7人。
資格が取れようが、頭が良かろうがそんなもんは関係ない。海に出れば、海を知って、漁場を知って、多くの漁獲高をあげた船団が一番なんです。

蟹の漁場はご存知ですか?津居山の一本線(小型40t未満)は京都沖に入れるので間人蟹と同じなんです。
津居山から15海里から30海里の漁場まで荒波をかき分け航海するのです。(1海里:約1,852m)解禁してすぐは蟹がたくさんいるので1網にオスが100枚、メスのセコガニが2,000枚入ることもあるんです。でも津居山から1本線、2本線で15隻、他港からもたくさんの漁船。三日も経てば、オス30枚、メス100枚・・・一ヶ月でひどければオスが0の日もある。1回の漁は6時に出港すれば入港は、二日後の朝セリ前の3時~5時。
ちなみに、津居山漁港で水揚げされた蟹の一枚の最高価格は4~5万。
他港は宣伝などもあり破格を叩き出すも、津居山漁港は純粋に魚屋が欲しい価格で取引される。

津居山で水揚げされる蟹の特徴はというと・・・足が長く、身の締りが良く、甘い!
そして何より、船の帰港も早い為、新鮮で鮮度が高いこと!
夏に必死こいて網を直し、この蟹の時期に勝負をかけている。海の上では、先ずは眠さとの勝負!冬は極寒、夏は灼熱。獲れるか獲れないかは行ってみないと分からない。
経験や勘が頼りの安定の無い仕事の為リスクも高いですが、こうやって漁師が頑張っているからこそ蟹の価値が認められ、食卓にも美味しい魚が並んだり、酒の肴に出来るのです。

今の漁師事情はさらに厳しく、若い地元の漁師が居ない・・・
少子化もしかり、みんな都会に出たりと安定したサラリーマンの道を選ぶ。
当然、世代交代もうまくいかず、現在ではインドネシアからの研修生が船に乗っているとこも多い。

私、にこ平の家も祖父、親父の世代までは○本造船所を経営しておりました。頑固で職人気質な姿を見て育ったから、東海バネで働く今の自分があると思います。
あそこの親父は、木材一本でも気にいらんかったら全部返品された・・・とも聞きました。しかし、不況の波や原油価格高騰、少子化、このような現状から船の需要もどんどん減ってきました。そういった経験を小さな頃からしてきた為、今の漁師の実状もよく分かります。

職人と呼ばれる人が減ってきている日本で、漁業、農業、産業、工業、商業等どんな業種であっても、次世代伝承というのが大きな課題となっているのだと思います。
漁師町で育ち、頑固な職人肌の親父どもを目にして育ってきた私達は、こういった町や国、自分達の生活を支える仕事や文化をこうやって発信する事で、皆さんにもご理解していただけたらと思います。

最後に耳寄り情報もお届けします!!

漁師が知る、魚の美味しい食べ方
<ハタハタの塩蒸し>
ハタハタを塩水で茹でて、水を切り蒸し焼きにするのがおすすめです!!
他にも『ノメ』、『アンコウ』、『バトウ』、『ニギス』、『ノドグロ』も旨いよ!
私個人的には、地元で売られている小鯛の笹漬けが好きです。

<石橋君からの一言>
今は、父が船を降りた後(来年で船長引退)、自分が背負っていけるのかの不安が大きいです。会社でもそうだけど、将来船長を目指して、人の将来を背負う覚悟や責任へのプレッシャー。これからも港人(津居山周辺地区の総称)としてのプライドを大事にして頑張ります!
漁師ってのもめっっっっっちゃしんどいけど楽しいでぇ!

やりがいもあるし、自分が獲った魚を子供に食べさせて喜んでる時が一番幸せ!
もっとよーけの人に魚を食べて欲しい!肉もうめぇけど、魚は子供の育っていく過程でも必要だしけー、食べなあかん!大人も酒を吞むアテには魚が一番だで!

(取材協力:石橋俊彦)

さてさて、師走まであと少し!
ご覧になられている方々も一泡噴かせるような最後のひと踏ん張りand追込みを見せて
『勝利のVサイン』  といきたいとこですね!!・・・カニだけにv(‘▲’)v

byにこ平

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