みなさん、こんにちは。 hyです。
今回は私から東海バネの「あんなこんな」をお伝えいたします!
さて、私は昨年より「営業グループ」に転属になりまして、どんくさいながらも日々、営業活動に奮闘しています。「ものづくり」、「職人」の東海バネというイメージの強い当社のなかで「営業」の仕事が注目されることは少ないのかもしれません。
でも、“東海バネの良さや凄さをもっとお客さんに、そして世の中に知ってもらおう!”、という熱い思いで、営業グループのみんなは毎日全力で活動しています。そういったところをこの中で少しでもお伝えできればいいな、なんて思います。
さて…。
先日、営業グループの大先輩のトラさん(仮名)が、何だかちょっとあらたまった感じで私のデスクのそばにやって来ました。
このトラさんは通算40年以上営業一筋!の大ベテランですが、いつも後輩たちにも気さくに楽しく、話しかけてくれます。そんな人が一体どうしたんだ、とこちらも少しばかり身構えましたが…。
「3月になったら、あるお客様を訪問したいと思っています。そのお客様はi-MC springの開発、開拓において大変お世話になった大恩人です。よろしければリーダー(※)もご一緒いただけませんか?」
…とトラさん。
(※ 私、昨年から、どんくさいながらも営業グループのリーダーを仰せつかっております…。恐縮です。)
“…え?どうしたのかな?いつもと違う感じに思えたけど、そんなこと?気のせいだったのかな?”
とすこし拍子抜けした感じになりましたが、それは口には出さず、
「いいですよ。もちろん。よろしくお願いします。」
とトラさんにお答えしました。
そして迎えた当日。3月某日。
その日は前日までの寒波が嘘のように消え去り、近づく春を感じさせる陽気です。
訪問先に向かう車中でトラさんはいつものように、後輩たちのことや、i-MCのこれからのことなんかを面白おかしく話してくれました。
このトラさん、当社のi-MC springの立ち上げ時から営業として関わり、その営業手腕と人間性で開拓に挑戦し、i-MC springを当社の主力製品の一つにまで押し上げた人物です。
しかし昨年からは、営業担当としてのメインは後輩に譲り、今は後輩の指導と後方支援を担っていただいています。
これからお伺いするお客様は、そんなトラさんが“大恩人”とする方です。
「まだ工作機械業界のなかで、なんの実績もないi-MC βと東海バネを全面的に信頼して、社内の反対する一部の人を押し切って、全面採用の英断をしてくれた」
という人らしいです…。
そして、客先に到着しました。
面談室から内線でその「大恩人」に連絡をとり、お越しになるのを二人で待ちます。
ほどなく、その方がやって来られました。大恩人、どんなエラそうな人かと待ち構えていましたが…、なんとも低姿勢な感じで、でもとってもニコニコ顔でこちらに来られます!
「いや~。トラさん、ご無沙汰しております。いつかご挨拶に伺わなければと思っていましたのに!その節は大変お世話になりまして…・。」
との切り出しです。 あれ?まるでトラさんのほうがこの方の大恩人みたいな感じです?
あらためて着席しまして、トラさん…
「実は私、本日で65歳になりました。昨年から営業の御社のご担当として後輩の〇〇が務めさせていただいております。この歳になりましたし今後は、ご挨拶に伺う機会もほとんどないかと…。そこで、最後…、というわけではありませんがそのような気持ちで大恩人の●●取締役に、上司とともにご挨拶に伺いました。」(大恩人の方はi-MC開発時は設計部の責任者をされていましたが、今はご出世されて取締役でございます。)
あ…。そこで気づきました。あの時のあらたまった感じは、このことだったんだな、と。トラさんにとって特別な訪問の計画であったのだ、と。
それに対して大恩人さんは、
「いえいえ、あの時助けられたのは私たちのほうです。我々に本当に適切なスプリングを提案してくださった。全面切り替えにリスクを唱えるメンバーもいましたが、トラさんと東海バネさんを信頼して全面切り替えに踏み切った。このことが我々にとって、どれほどのものをもたらしてくれたことか! 本当に感謝しています!」…とのお言葉。
お互いが最上級の感謝を表して、なんか感謝のお祭りみたい。そんな面会でした。
そしてそのような場面に立ち合せてくれたトラさんと大恩人さんに、私も感謝の気持ちでいっぱいになりました。
< 組み合わせ i-MC spring >
冒頭にも申し上げましたが、私は昨年より営業グループに配属になりました。
それまでは技術系の工場勤務で営業グループの日常の仕事ぶりに接する機会はほとんどありませんでした。
そんな私が営業グループに来て、初めに驚かされたことは、営業グループのメンバー全員が非常に熱心に、そしてとてもハードに、仕事に一生懸命であることです。
モノづくりに直接携わる生産部門や技術部門であれば、良いばねを作り上げていくという手ごたえや達成感が、仕事に対するモチベーションを強力に引き上げてくれることは、これまでの私の経験が教えてくれました。
しかし、そのようなモノづくりの達成感とは縁遠い営業グループで、なぜ、そんなにみんな頑張れるのか?最初は本当に不思議でした。
でも、この一年間、私もどんくさいながらも営業として奮闘した経験と今回の“感謝のお祭り”から、その理由がはっきり分かりました。
私たち東海バネの営業メンバーには、素晴らしいばねを確実に作り上げてくれる仲間たちへの「信頼感」と、自分たちが商いしている製品が絶対いいものなんだ、という「誇り」と、それをお客様たちにもっと知ってもらわないと、という「使命感」。
この3つが僕たち営業メンバーの原動力になっているんです。大先輩のトラさんもこの3つの原動力をもって、i-MC販売においての大きな成果とこのような大きな感謝を勝ち取ったのだと思います。
そして、それに続く次の世代である僕たちは、先輩たちが築き上げたものをしっかり引き継いで、守っていかなければなりませんし、さらに先輩たちの築いてきたものをもっともっと広げていく使命もあります。頑張らなくちゃ!
その日の夜。お誕生日会…、ではありませんが、二人で駅前の居酒屋さんに立ち寄り、お酒を飲みました。
信州料理のお店のようで、お蕎麦屋さんと居酒屋が合わさったようなお店でしたが、そこで飲んだそば焼酎のそば湯割りが実に美味かった! …今度はナツメさんと来なくちゃね。
さて、65歳を迎えられたトラさんですが、もう少しの間、僕たち頼りない後輩らをご指導いただくことになりました。
そろそろゆっくりとした生活を…、と思われているかもしれませんが、あと、もうちょっとだけ我慢してください!
いろいろ教えてくださいね。よろしくお願いしまーす!!
hy