こんにちは。
今回お送りするのは、生産技術Gr.所属6号機です。
近畿圏では、ソメヨシノはもう散ってしまい寂しい限りですが、この時期の私にとっての
イメージは、“満開の桜”です。この時期になると今年はどこの桜を見に行こうかなあ、
と考えつつ桜前線の開花状況と日々の天気が気になる毎日です。(しっかり、仕事もしてますよ(笑))
ここ数年、平日に満開を迎え、週末には散り始めるという年が続いていましたが、
今年の但馬地域の状況は、咲き始めてから寒の戻りがありました。
満開になるまで時間が掛かってちょうど週末に咲き誇り、花見には最高の年でした。
話は変わりますが、そんなことに現を抜かしていて、すっかり忘れていたことがありました。
「あっ!!入社して自分はもう3年も経ってるやん。そして、今年から4年目か~」、ということです。
(↑当たり前なんですけどね。)
そして思うのが、「入った時の自分と今の自分は何が変わったんだろう」、ということです。
私自身は、あまり変化したという自覚がありませんが、何か変化したり、成長したのでしょうか…。
考えても仕方のないことですが、これだけは断言できる気がします。
日々いろいろ経験を積む機会は与えられていると。
今回は、最近経験したことの1つを紹介したいと思います。
少し前のことになりますが、“超絶凄ワザ!(NHK様)”という番組の撮影があり、
内容としては「究極の“反発力”対決」
ということで、サポートとして携わる機会がありました。(この記事は4/18執筆したものです)
自社にいても思うことですが、本当にテレビに取り上げられる機会の多い会社だな、と。
対戦相手は、あの“輪ゴム”(ゴムバンドというそうですが)を作っているメーカーの“共和”様でした。
対決の当日になって、初めて対戦相手を知り(本当に秘匿でした)、
恥ずかしながらあの輪ゴムを作っているメーカーである、ということも初めて知り、とてもビックリ!!
対決方法は、アメリカ製の競技用ホッピングを改造し、どちらがより高く跳べるか(棒高跳びの要領)、
というものでした。
ホッピングについて軽く説明すると、従来の足をのせるステップの下にコイルばねが付いたものではなく、
股の間にケースを設け、その中に8本の太いゴムが軸とステップに取り付けられています。
そして、ステップを踏み込むとゴムが伸び、それが元に戻る際の力を利用して跳ぶという構造のものです。(←気になる方は、AmazonやYouTube検索してみて下さい)
その8本のゴムの代わりになるものを作ろうということで、
機能的に似ている引きばねを作ることにしました。
しかし、引きばねは、基本取付け部がフック形状ですが、応力的に不利なこと、また取付け時の制約により
金具付きの引きばねにすることにしました。
また、軸とケースの隙間の大きさからばねの外径サイズがきまり、徐々に形状を絞りこんでいきました。しかし、普段の業務では
ばね取付け相手が機械ということで、ある程度仕様の決まった状態で設計することが多く、
今回のような“ゼロ”からというものは、ほとんどありません。
さらには使用者が“人”ということで、いかにその人の跳びやすいものにするか(最適設計)、
さらには期間は1ヶ月程というこで設計から製作完了までには、
なんども試行錯誤を繰り返し試作品ができあがりました。
そうして、最初のプロホッパー(←そんな方がいます。世界は広いです!!)による試乗の日を迎える訳です。
結果は、予想外!!!!!
ホッパーの方がパワフルで、ばねに想定以上の荷重がかかり、許容できるストロークを大幅に超えてしまい、ばねが伸びてしまいました。(泣…)
もとから取り付けてられていたゴムよりは当然強いはずなのに…。
ホッパーの方のパワーに驚愕しつつ、制約がある中での最適設計というものの難しさを痛感させられました。
これを踏まえ、より強く、そしてストロークが多くとれるばね、
(説明するのは難しいですが、今回の取付時の制約において2つは相反します)を目指し設計を行いました。
材質・線径・中心径、巻数を変え、最大ストロークの際の応力を評価し、最後は製作可能か検証し…
あとはこれを繰り返す。あと、金具も再製作。
ほぼゼロからのスタートとなりましたが、本番仕様をなんとか完成させました。
試乗はもうありません。全ての評価は本番で>>>>>>>>>
今回、この撮影のサポートをさせてもらい、多くのことを勉強しました。
詳しくは説明できませんが、金具付きを採用したことにより、金具とばねの設計・製作の際にノウハウ(特に金具とばね端部の独特の形状)があること。
また、応力を評価をするにあたり、材質や線径、中心径、最大ストローク時の荷重といった各要素がどのように影響するかなど。
今回のような難しいことに挑戦するのはとても大変でしたが、一方で普段できないことを経験でき、
もの作りの醍醐味を味わえたように思います。